2回連続で解体された建物を紹介しましたが、今回はみごと生き延びた建物を紹介。
高崎市駅前にあるアントニオ・レーモンド作による「旧井上邸(現高崎哲学堂)」です。
1952年高崎の実業家井上房一郎の為に建てられたものでありますが、房一郎の死後、税金の滞納の為、2002年に公売にかけられたのです。ここで開発業者が落札していれば、今頃はマンションなんかが建てられていたことでしょう。
そこで頑張ったのが、房一郎の遺志を受け継いだ
財団法人高崎哲学堂設立の会です。
財団の積み立てた基金約1億円に金融機関から融資約2億円を合わせて、財団が3億1千万円で落札したのです!
財団は旧井上邸の「所有者」となったのです。
その後は日数を限定した建物公開を行い、広く一般に建物を公開していました。
しかし、頑張り過ぎた財団は経営に行き詰まってきましたが、2009年初頭、高崎市が救いの手を出し、市が取得することとなりました。市として保存することが、文化・観光・歴史としてメリット有りと判断できたのでしょう。
現在は週末のみの公開となっているようです。
Top▲ |
by kajinoryuji
| 2009-12-06 18:22
| 建築と名作見学
|
Comments(0)