昨日に引き続き「今は亡き・・・」シリーズ。
文京区茗荷谷駅前に「同潤会大塚女子アパートメント」という建物がかつてありました。
これまた1930年生まれで、関東大震災復興として都が建設した一連の同潤会アパートメントの一つであり、当時の最先端設備を備えた女性専用ハイソ・ハイクオリィティマンションでした。
それが都によって土地売却されることとなり、世間では市民団体による保存運動や日本建築学会からの保存要望書提出等行われていました。
保存・再生の目的として、女性を中心とした市民団体は、女性の社会進出(ウーマン・リヴ)を象徴する建物である、日本建築学会では、建築史上重要な建物であるとの事。
その頃ちょうど2001年に石原都知事による「ババァ発言」が物議を醸したりしていた時期でもあり、都としては重要度は低い建物であるとの認識があったのだろうか。
当時学生であった私は、保存・再生運動の一端に加わっていたのですが、結局2003年に解体され、跡地にはマンションが建ったとの事。
社会の論理・市民団体の論理・所有者の論理・学会の論理いろいろありますが、現状の日本では、結局所有者の論理には絶対誰も勝てないって事を肌で感じました。
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by kajinoryuji
| 2014-08-19 09:46
| 建築と文化
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